目指す子どものすがた
この活動を通して、何事に対しても自分から疑問を持ち、持った疑問を解決するために自分にできることを考えられる子どもを育成したいと思った。
また、企業との協力を通して、自分たちが環境のためにできることが広がることを感じてもらい、協力することの大切さ、楽しさを感じられるようになってほしいと思った。そして、SDGsの視点でいろいろな物事を捉え、考え、実践できる子どもを育成したいと思い、学習を考えた。
実践の概要
環境に携わる活動を行う人や企業からの出前授業や、多摩川の自然に触れ合う活動を通じ、子どもたちが知らないことを知る機会を設けた。そして、そこから持った疑問や思いから、子どもたち自身で環境のために追究したいテーマを設定した。それらを基に、企業とも協力し、自分たちにできることやSDGsの大切さをたくさんの人に伝える活動につなげるため、「SDGsフェス」を企画した。活動を通して、自分たちがSDGsを通して環境のためにできることがたくさんあることを知り、実践していく。
授業内容上の工夫
人との出会いや体験活動の充実を図るため、学習は俳優の中本賢さんのお話から始めた。そこで、子どもたちは多摩川に生息している生き物や植物に興味を持ち、実際に行って観察してみたいという思いを高める。そして、「多摩川ガサガサ探検隊」、「多摩川ガタガタ探検隊」と称して2回多摩川へ調査しに行く。そこで、子どもたちは自然について知らないことがたくさんあることを知り、もっと環境について知りたいという思いを高めて、たくさんのゲストティーチャーの話を聞く活動に入っていくようにした。
実践の流れ
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中本賢さんの話を聞いたり、多摩川でガサガサ探検・ガタガタ探検を行ったりすることで、環境について興味を持つ。
〇中本賢さんの出前授業(多摩川に生息する生き物・多摩川の面白さなど)
〇中本賢さんと多摩川でのガサガサ探検(学校よりも上流の多摩川)
〇中本賢さんと多摩川でのガタガタ探検(学校近くの多摩川) -
環境に携わる活動を行う人や企業の話を聞き、子どもたちが環境のためにできることを考える。
〇花王(取り組んでいるSDGs、洗剤を通してできるエコについて)
〇夢見ヶ崎動物公園(動物園の役割、絶滅危惧種について)
〇TBM(ライメックス、世界中の環境への取り組みについて)
〇東京ガス(取り組んでいるSDGs、エコクッキングについて) -
環境に携わる活動を行う人たちと協力して、子どもたちが環境のためにできる活動を行うため、企画書を作って協力先に提出する。
〇グループに分かれ 、環境に携わる活動を行う人を説得するための情報を調べたり、提案文を作成したりする。
国語「提案しよう、言葉とわたしたち」
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企画書の返事を受け取り、校内で企画した「SDGsフェス」に向けて、協力先と共に準備をする。
〇提案文の返事を受け取る。
〇企業と協力をして準備をする。 -
「SDGsフェス」に来た人や校内の他の学年に向けて、SDGsや環境のために自分たちにできることを発信する。
〇模造紙の掲示
〇動画での発表
〇企業から提供してもらったものの配布
SDGsの視点を取り入れた授業実践の効果
SDGsの視点を取り入れた学習をすることで、総合的な学習の時間だけではなく、他の教科や給食の時間、日々の生活の中でもSDGsを通してさまざまなことを考えることが自然とできるようになってきた。総合的な学習の時間を中心としてSDGsに取り組むことで、子どもたちからSDGsを意識した発言を聞くことが増えてきている。
SDGsを取り入れた授業実践にあたっての課題・乗り越え方
SDGsの視点を学習に活用するために、SDGsを学習の中でどのように扱い、位置付けるかが重要であると感じた。そのため、4年生では、SDGsと日頃の学習活動を結びつけ、計画を立てて見通しを持つためのものとして扱った。
今回の5年生では、SDGsを学習の途中やまとめの時に、価値付けをするものとして扱った。どのように扱うかによって学習の計画が変わってくる可能性があった。校内の研究推進部を中心に校内の教員で理解を図り、SDGsの共通認識を持ち、学校全体で取り組んだ